後遺障害11級腰椎圧迫骨折680万円から2600万円へ上がった事例

被害者

 
男性:(症状固定時29歳)
職業:会社員

 

  • 事故状況

 
 被害者は、普通乗用自動車の後部座席に乗っていたところ、対向車線から相手方の普通乗用自動車がセンターラインをオーバーしてきて、被害者の自動車に衝突しました。

 

  • 被害者の受傷(腰椎圧迫骨折など)、治療状況、離職

 
 被害者は、この交通事故後の初診の腰椎レントゲンにより第1腰椎圧迫骨折を受傷したことがわかりました。

 被害者には腰痛などの痛みの症状もありました。
 被害者は、通院、リハビリを継続しました。

 被害者は体に負担がかかる、かなりハードな仕事についていましたが、交通事故による腰椎圧迫骨折などを受傷したために、交通事故後ずっと仕事を休み続けざるを得なくなりました。落とすことのできない非常に重いものを持ち上げる業務を行うことができなかったのが大きな理由でした。

 しかし、休業が続いたことで、治療中に勤務先を退職せざるを得なくなりました。
 被害者は、その後、自分が何とかできそうな仕事を見つけてすぐ就職はできたのですが、交通事故時と比べてかなり収入が落ちました。

 

  • 後遺障害等級認定…11級7号(脊柱変形障害)の認定

 被害者は、事故後10か月あまり通院しましたが、結局、症状も改善せず、相手方保険会社から治療費の打ち切りを言われ症状固定となりました。

 相手方任意保険会社から後遺障害診断書が送られてきて、主治医の先生に記載をお願いして欲しいとのことで、被害者は保険会社に言われるとおり、主治医に後遺障害診断書の作成をお願いしました。
 被害者は、病院から交付を受けた後遺障害診断書を相手方任意保険会社に渡しました。その後、相手方任意保険会社から後遺障害等級認定結果とその理由が書いてある書面が返ってきました。

 その書面には、画像上、本件事故外傷による明らかな第1腰椎圧迫骨折が認められるとのことで、脊柱(せきちゅう)に変形を残すもの として後遺障害11級7号が認定されました。
 腰痛については、この脊柱変形障害と通常派生する関係にある障害ととらえられることからこの等級に含めての評価となりました。

 胸と腰の運動障害(これは、前、後ろ、左右にどれだけ体が曲がるかと、体を左右に回してどれだけ回るかを角度で測定し、参考可動域角度という基準となる角度と比較して2分の1以下に制限されていれば後遺障害8級に該当する可能性があるというものです。)については、後遺障害8級の認定要件を満たしませんでしたが、かなりの運動制限がありました。

 

  • 相手方保険会社からの損害額の事前提示

 
 その後、相手方任意保険会社から、最終支払額の提示がありました。
 680万円(千円以下省略いたします。以下同様です。)の提示でした。

 被害者の方は、この相手方任意保険会社からの680万円の金額提示の通知を、
「妥当なんだろうか?」
「かなり低いと思うんだけど…」
 と疑問を持って、当事務所に電話をいただき、ご来所されました。

 

  • 無料相談、当法律事務所弁護士受任

 
 当法律事務所弁護士が相談をお受けし、保険会社の提示金額を見て特に感じたことは以下の点です。

・傷害慰謝料の提示金額が100万円を切っていましたが、ご依頼者の通院状況に照らすと、この提示金額が低いと感じられたこと。
・後遺障害慰謝料の提示金額が極めて低かったこと。
・後遺障害逸失利益という損害費目で、労働能力喪失率が小さいものとして、かつ、労働能力喪失期間が短いものとして、後遺障害逸失利益が算定されていたこと。

 そこで、当法律事務所弁護士がご依頼をお受けしました。

 

  • 示談交渉

 
 当法律事務所弁護士が受任してから、約4か月で解決に至りました。
 示談で合意ができました。
 示談交渉の結果、既払い金を除き、最終支払額 2600万円 で解決しました。

  当法律事務所弁護士が受任した結果、当初の提示金額よりも約2000万円近くアップした金額で、しかも早期解決することができました。依頼者の方は、弁護士に相談して本当によかったとおっしゃっていました。

 

  • ひとこと(脊柱の変形障害の逸失利益)

 
 腰椎などの圧迫骨折が原因で脊柱(せきちゅう)の変形障害として後遺障害11級7号が認定されたにとどまるケースでは、相手方任意保険会社が後遺障害逸失利益の損害額は低いものである、あるいは損害は全くないと争ってくるケースが少なくありません。

 このような場合には、後遺障害(後遺症)が残った被害者の仕事にどのような支障が生じているのかをくわしく主張していく必要があります。 
 この点は、交通事故のケガの損害を被害者側の立場から数多く取り扱っている弁護士と、そうでない弁護士との力量に差が出てくるところだといえます。

 本件では、被害者の腰痛がかなり強く、かつ、ずっと続いていたこと、胸と腰の運動障害が後遺障害等級の認定要件を満たさなかったものの、かなりの運動制限があったこと、被害者が治療中転職せざるを得なくなったところ、明らかに収入が減少したことを主張しました。
 その結果、後遺障害逸失利益の損害額は、弁護士加入前、相手方任意保険会社は432万円しか提示しませんでしたが、弁護士による示談交渉後、2000万円を超える金額で合意ができました。