むちうち後遺障害12級 治療中から受任し694万円の支払いを受けた事例

(以下の金額は1万円未満省略しております)

 交通事故・受傷

 
自家用車を赤信号で停車させていたところ、大型ダンプカーに後方から追突される交通事故にあわれた60代男性の方が被害者でした。

傷病名は頚椎捻挫(むちうち)でした(その他の傷病名は省略いたします。)

被害者の自覚症状

 
強い頚部(くび)の痛み、一方のひじ・てのひら・指先の強いしびれと知覚鈍麻、ふらつきが主な症状でした。

頚椎(くび)のMRI検査

 事故から約3ヶ月経過後、MRI検査が実施されていました。

当法律事務所弁護士による無料相談・受任

 
 症状固定時期直前に当事務所の無料相談に来られ、当事務所弁護士がご依頼を受けることになりました。

後遺障害等級認定に向けた検討

受任後に頚椎MRI画像を確認しましたところ、ある一部位の頚椎椎椎間板に、弁護士が見ても明らかにわかるヘルニアがありました。

これを被害者の方に説明すると、この点は主治医の先生も同様の指摘をされていたとのことでした。

このヘルニア以外に、当事務所弁護士は、MRI画像上、この部位には気になる点がありました。もしかしたら、頚髄に損傷(脊髄損傷)があるのではないかというようなところが見えました。
しかし、主治医の先生によると、頚髄損傷(脊髄損傷)とまでは言い切れないということで、頚髄損傷の判断はされていませんでした。

 もっとも、当事務所弁護士は、MRI画像を見て(もちろん、画像と矛盾しない自覚症状があることが前提ですが、)、神経症状で後遺症等級14級を超える等級、つまり後遺症12級13号が認定される可能性があるかもしれないと考え、これを意識して後遺障害等級認定申請の準備をしました。

主治医の先生には、後遺症(後遺障害)診断書以外にも書類を作成していただきました。当事務所弁護士もいくつか資料を整えました。

そして、当事務所弁護士が被害者請求で後遺症等級認定申請をしました。

 

後遺障害等級認定結果 … 併合12級

頚椎捻挫後の頚部痛や一方のひじ・てのひら・指先のしびれや知覚鈍麻、ふらつきなどといった症状について、画像上、椎間板の膨隆による脊髄や神経根の圧迫が認められ、局部に頑固な神経症状を残すものとして、後遺症12級13号が認定されました。
その他にも神経症状14級9号が認定された部位がありましたので、併合12級となりました。

後遺障害診断書の記載

 もちろん、掲載には被害者の方のご承諾をいただきました。 

自覚症状の欄
 頚部痛、一方のひじ、手掌、指先のしびれ感と知覚が鈍い、ふらつき(その他にも記載はありましたが省略いたします。)

他覚症状および検査結果などの欄

頚椎各方向軽度制限と運動痛

ジャクソンテスト、スパーリングテストははっきりしない
上肢筋萎縮は認めず
腱反射:上腕三頭筋で自覚症状のある側はやや亢進、他方は亢進、上腕二頭筋、腕橈骨筋は正常
 一方のひじから先の知覚鈍麻(5/10程度)
Wartenberg(しびれ知覚鈍麻のない方が±、ある方は陰性)
(その他の神経学的異常所見は省略いたします。)

MRI所見 

頚椎のある一部分の椎間板に大きなヘルニアがあり、脊髄圧迫がある旨の所見がありました。(その他のMRI所見は省略いたします。)
 

障害内容の憎悪・緩急の見通しに関する欄
 
症状が今後長期にわたり残存する旨の記載がありました。
 

※ 頚椎運動障害の欄にも可動域の記載がありました。

 

示談交渉

 

弁護士金田は、その後の示談交渉も代理しましたが、相手方との見解の差が大きく、示談交渉は決裂しました。

被害者の方と相談し、交通事故紛争処理センターを利用することになりました。

 

交通事故紛争処理センターでは…

 
交通事故紛争処理センターから、それまでの支払済み治療費とむちうち関係後遺障害12級認定により自賠責保険会社から支払いを受けていた224万円を除き、470万円のあっせん案が出て合意に至りました。

弁護士受任後、694万円の支払いを受けたことになります。

このケースは、事業所得者である被害者の収入が主な争点になりました。収入がゼロかあるか自体も争点でした。
また、被害者の方(男性)は70歳に近い年齢であったこともあり、労働能力喪失期間も問題になりました。

事業所得者のケースは年収で争いになることがよくあります。 

限られた資料を提出して年収の主張をしていき、157万円の逸失利益で合意することができました。

傷害慰謝料、後遺障害慰謝料は、当方の請求どおり(前者124万円、後者280万円)で合意ができました。

 

弁護士からひとこと

 
むちうちで神経症状後遺障害等級12級が認定されるには、後遺障害診断書の記載が重要であることはもちろんですが、それだけで決まるものとはいえず、MRI画像所見も極めて重要になります。また、神経学的所見にもどのような異常があるかも重要になってきます。

 交通事故でむちうちや腰椎捻挫を受傷してお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。