嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)と後遺障害逸失利益(裁判例をふまえて)


 嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)として後遺症(後遺障害)等級が認定さ
れた場合の後遺障害逸失利益について、また一つ裁判例を紹介いたします。

  四輪車と自転車とが衝突した交通事故で、自転車に乗っていた被害者(男性)
が、この交通事故により、外傷性くも膜下出血、硬膜下血腫、左側頭骨骨折を
受傷しました。被害者の方は脳神経外科や耳鼻咽喉科で治療をされましたが(入
院・通院)、嗅覚脱失という後遺症(後遺障害)が残ってしまい、後遺症(後遺
障害)等級12級の認定を受けました。

 この被害者の職業は調理師でした。裁判の判決では、調理師という職業から、
素材のよしあし、完成した料理の風味がどうなのかを見極めなどといった、料理人
の技術を発揮するうえで嗅覚は極めて重要な感覚のひとつであり、この嗅覚を失っ
たことは料理人として致命傷に近い状態と評価すべきである旨指摘され、被害者が
料理店経営者でもあること等の事情を考慮してもなお労働能力喪失率は20パーセ
ントとして評価するのが妥当と判断されました。

 12級の一般的な労働能力喪失率は14パーセントですが、この裁判例は、交通
事故による後遺症(後遺障害)が、被害者の職業の及ぼす影響の大きさを考慮して
20パーセントと判断したと考えられます。

 もちろん、個々のケースによって後遺症(後遺障害)逸失利益の結論は変わり得
るものですが、嗅覚障害が職業にどのような影響を及ぼすのかをしっかり主張して
いくことが大事であることを考えさせられる裁判例であるといえます。

 なお、労働能力喪失期間は、症状固定時59歳男性の平均余命の2分の1である
10年が認められました。

 


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