交通事故PTSD後遺障害14級560万円の支払いを受けたケース

  • ※以下、当法律事務所弁護士が実際に交通事故発生直後からご依頼をお受けし、解決したケースをご依頼者(被害者)様のご承諾を得て掲載させていただきます。ただし、事案によって同様の結論になるとは限りませんので、この点ご了承のうえでごらんいただければと思います。
  • 当事者、交通事故状況

 
 被害者(40代、男性、会社員)は、運転している四輪車を赤信号で停車させていました。そこへ、後方から四輪車が追突したという交通事故にあいました。この追突の衝撃により、被害者の車もその前に停車していた四輪車にぶつかりました。この衝撃で、被害者は、体が宙に浮き、顔を2度車内にぶつけ、流血し、車内のあちこちに被害者の血がつきました。
 被害者の車は、後ろドアのガラスが粉々に割れて運転席や助手席まで飛び散り、後ろのドア自体もグチャグチャになりました。車のハンドルも曲がりました。被害者の車に同乗していた友人の方も負傷しました。
 被害者自身、死ぬかと思ったほどの衝撃の事故でした。

  •  PTSDについて

 PTSDは、心的外傷後ストレス障害といい、たとえば、自分が生命の危険にかかわる経験をした後、抑うつ、不安、フラッシュバック(かんたんにいいますと、その経験が、突然無意識的にはっきりと思い出してしまったり、夢を見たりすることです。)、無意識のうちに回避行動をとる、眠れない、集中力低下などの症状が起き、それが続くというものです。

  •  ■PTSDが交通事故との関係で問題になるというには 

 まず、生命の危険にかかわるような交通事故にあったかどうかが重要といえます。

 

  • 交通事故後の症状、整形外科や精神科への通院治療

 この交通事故により、被害者は、頭痛、くびの痛み、腰の痛み、上肢や下肢の痛みやしびれ、めまいを感じるようになり、整形外科に通院し、内服薬の投与受け、リハビリの継続をすることになりました。
 一方、被害者は、この交通事故後、以下の症状などがありました。

 イライラや不安が増える
 フラッシュバックが起こる
 
夜寝られないことが多くなったり、(ご家族曰く)夜中にうなる
 
車に乗ることすらできない
 
車のブレーキ音を聞いただけで恐怖感を感じる
 
集中力や意欲の低下
 
人を避けてしまう
 
(他にも症状があるのですが、これらは省略いたします。)

 被害者は、交通事故から1ヶ月余り後の時点で、精神疾患を専門的に取り扱っておられる精神科病院に通院することになりました。

 被害者は精神科病院に月に2回ペースで通院され、症状固定後半年を経過した時点で月1回ペースの通院になりました。しかし、この事件が解決した時点でも月1回の通院を継続されている状況でした。
 精神科専門病院では、被害者にEMDRという心理療法や心理教育が実施されるとともに、SSRIという抗うつ薬が投与され、後に暴露療法も実施されました。

PTSDと通院治療について

  本件被害者は、事故前のご自分と様子が違う点を日々感じておられ、かつ、他者からも指摘があったことをふまえて、交通事故から1ヶ月余りの時点で精神科専門病院への通院を決意されました。
 交通事故が原因でPTSDが発症したというケースは、まずは少しでも症状が良くなっていくようにという意味で、そして、治療を続けても症状の改善が見込み難くなった場合の後遺障害診断という意味でも、早めに通院することが大切になってきます。
 また、通院先の病院がどこであるかも重要になってくると思われます。
 裁判例の中には、事故後相当な期間が経過してからPTSDや非器質性精神障害として後遺障害等級を認定したケースもあるにはありますが、初診時期が遅くなると、相手方保険会社が事故と症状との因果関係を争ってくる可能性があります。

 

弁護士受任

 
 被害者は、事故直後の段階から当法律事務所の無料相談にお越しになり、当法律事務所弁護士がご依頼をお受けすることになりました。
 被害者の方は、交通事故の影響のため、事故後しばらく勤務先を休業していましたので、当法律事務所弁護士は、被害者が通院中の段階から休業損害や通院交通費の内払交渉を行いました。
 それだけでなく、整形外科や精神科の通院状況に関し、被害者から細かくご報告いただいたり等でコミュニケーションを重ねていきました。

 

  • 症状固定時期

 
 被害者が通院を継続されてまだ1年も経過していない時期でしたが、被害者と病院との中で症状固定の話が出てきたようです。当法律事務所弁護士は症状固定時期としてはまだ早いのではないかと思いましたが、後遺障害診断になりました。
 整形外科関係の症状(頭痛、くびの痛み、腰の痛み、上肢や下肢の痛みやしびれなど)については、この少し前に症状固定となり、後遺障害診断がなされることになりました。

 
後遺障害等級認定申し立ての準備・病院同行

 
 被害者は、治療中に職場復帰をすることができ、勤務先には、通院でどうしても有給をとらなければならない日以外は何とか辛うじて遅刻せずに出勤すること自体はできていました。
 しかし、勤務先での仕事は交通事故前のパフォーマンスには及ばない状態であり、仕事意欲低下、集中力低下、持続力低下、疲れやすいとった状態が改善せず、コミュニケーションも減った状態から改善せず、日常生活も含めて抑うつ、イライラ、不安、恐怖状態、フラッシュバック、回避症状(例を挙げますと被害者は事件解決時においても車の運転ができません。)等があり、睡眠障害も改善しませんでした(その他の細かい症状については省略いたします)。

 これら被害者の症状がきちんと後遺障害等級認定の際に考慮されなければなりません。弁護士は被害者の方と精神科病院に同行して主治医の先生とお会いし、お話をさせていただくことができました(病院同行)

 
■PTSDの後遺障害等級認定申請書類

  交通事故でPTSDの診断を受け、後遺障害の問題になった場合、精神科主治医の先生に記入いただかなければならないのは後遺障害診断書だけではありません。色々な書式にご記入いただく必要があります。 
 それだけでなく、被害者と同居されている親族や勤務先の方にもご協力いただくことが必要な場合もあります。
 自賠責保険でのPTSDによる後遺障害認定の申請は非常に細かい作業が必要になるものとお考えいただいた方がよいでしょう。

 

 当法律事務所弁護士は、必要な書式を全て持参して精神科主治医の先生に記載をお願いしました。
 精神科の主治医の先生には、裁判になってからも被害者の現状に関する所見を作成していただく等ご協力いただくことができました。弁護士は合計3回この病院に同行いたしました。
 ちなみに、当法律事務所弁護士は、被害者と精神科に同行しただけでなく、整形外科にも同行して後遺障害診断のサポートをいたしました。
 PTSDの後遺障害等級認定に関し、弁護士は主治医の診断書以外にもまだ資料が必要であると考えました。
 まず、生命の危険にかかわるような交通事故であったことをご理解いただくために、事故後の被害車両の写真が必要であると考えました。これについては幸い被害者側で細かく多数の写真を撮影されていましたので、弁護士は細かく検討して整理しました。
 また、ご家族や職場の方にご協力いただくことができないかと考えました。当法律事務所弁護士は、被害者のご家族にもお会いし、交通事故前後の被害者の日常生活の様子をお聞きし、被害者の職場の同僚の方にもお会いすることができ、交通事故前後の被害者の勤務状況の様子をお聞きしました。すると、交通事故前後で被害者の日常も仕事もがらっと変わっていることがわかりました。これらの方々には陳述書の作成にご協力いただくことができました。

 

  • 自賠責保険への後遺障害等級認定申し立て

 
 当法律事務所は整形外科や精神科主治医の先生に作成いただいた医証だけでなく、被害車両の写真、ご家族や職場の方の陳述書などを自賠責保険会社に提出し、後遺障害等級認定の申し立てをしました。

 

  • 後遺障害等級認定結果

 
結果は 併合14級 でした。

 ・整形外科関係については、頚部や腰部を含む3部位につき、神経症状14級9号が認定されました。

 ・精神科関係の症状については、PTSD(心的外傷後ストレス障害)との傷病名が認められること、提出医証から、精神科専門医において心理教育や薬物療法等が行われていることなどをふまえ、交通事故を原因とする脳の器質的損傷を伴わない精神障害(非器質性精神障害)であると判断され、慢性的な抑うつ、意欲低下の継続、集中力・能力低下、フラッシュバックがある一方、何とか遅刻せずに出勤できていることが考慮の対象となり、後遺障害14級9号が認定されました。

上記14級9号が4つ認められ、併合14級になりました。

 

  • 裁判提起

 
 本件の最終損害賠償は裁判で請求することになりました。
 裁判では、最終的に加害者側が460万円を支払う旨の和解が成立しました。

 内訳の一部は以下のとおりでした。

  休業損害は78万円(ただし、19万円は示談交渉前に支払を受けました。)
  後遺障害逸失利益は、13年間、5%労働能力を喪失した金額
  
傷害慰謝料は122万円
  後遺障害慰謝料は110万円
  
(以上、記載の金額は1万円未満省略しております。)

 なお、裁判の中で加害者側から素因減額の主張がありましたが、素因減額なしを前提とする和解が成立しました。

 この和解前、14級認定により自賠責保険会社から75万円、相手方任意保険会社から交通費や休業損害の内払い合計25万円の支払を受けていましたので、弁護士受任後、医療機関へ直接支払われた治療費を除き、560万円の支払を受けることになりました。

 

 
PTSDの後遺障害問題

 
 PTSDの後遺障害問題は、弁護士にも非常にきめ細かい作業をていねいに行うことが求められます。
 お困りの方は一度ご相談いただければと思います。

 

 

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